「初めて体験入店した日、
何も知らなかった俺が
やった失敗」
体験入店は「面接」ではなく「1日体験就業」だ。服装、質問のタイミング、当日の断り方——何も知らずに入って後悔したことを、元歌舞伎町ホスト・在籍4年のホスメディAが正直に書く。
ホストクラブへの体験入店(体入)は、多くの場合「面接=採用可否の判断」として描かれる。だが実態は違う。体験入店は「1日体験就業」であり、店側がキャストを見定める場であると同時に、こちらが店を見定める場だ。俺が初めて体入した日、そのことを誰も教えてくれなかった。終わってから「確認すべきだったこと」が山ほどあると気づいた。本記事では、その経験と、その後4年在籍する中で後輩に伝えてきたことを整理する。
体験入店当日、実際に何が起きるか
体験入店の当日の流れは、店によって多少異なるが、概ね以下の順番で進む。店に着く→担当スタッフ(店長またはヘルプ)に案内される→簡単な説明を受ける→実際の営業時間に同行またはフロアに立つ→終了後に「どうしますか?」の面談、という流れだ。
問題は、この「実際の営業時間に同行」の部分だ。体験中、客とのやり取りを求められる場合がある。断っても基本的に問題ないが、雰囲気に飲まれて断れなかった、という声を後輩から何度も聞いた。体験中は「見るだけ」でいいし、それを事前に店に確認しておくのが正しい。
体入当日にいきなりテーブルに着かされた。客がいる状況でどう振る舞えばいいかわからなくて、ずっと笑顔で座ってるだけだった。終わったあとに「今日の営業、よかったですよ」と言われて、そのまま入店することになった。後から考えると、あの日の俺には断る言葉が一つもなかった。— ホスメディA/元歌舞伎町ホスト・在籍4年
俺がやった失敗3つ
① 服装を事前に確認しなかった
体験入店の案内を電話でもらったとき、服装について何も聞かなかった。当日、私服で行ったところ「スーツじゃないと」と言われ、近くのイオンで3万円の安スーツを買うことになった。その費用は当然自分持ちだ。体験入店前に「当日の服装は何が必要ですか」と一言確認するだけでよかった。
一般的に歌舞伎町のホストクラブでは、体験入店時はスーツ(黒または濃紺)が基本だが、カジュアル系の店舗では私服OKの場合もある。必ず事前に確認する。
② 「今日から入れる?」を断れなかった
体験終了後の面談で「気に入りました、今日から入りますか?」と言われた。その場の雰囲気と、「いい人たちだな」という印象で「はい」と言った。だが、雇用契約書を確認したのは入店から1週間後だった。入店を決める前に書面を確認する時間を求めることは、当然の権利だ。「書面を確認してから判断させてください」と言って問題ない。それを嫌がる店には入らない方がいい。
③ 給料・罰金の仕組みを一切聞かなかった
体験当日、給与体系について何も聞かなかった。「日給保障があります」という一言だけで理解した気になっていた。実際に入店してみると、遅刻に罰金、ドリンク代の立替、寮費の天引きなど、想定していなかった控除が複数あった。体験入店の面談時に「控除・罰金・天引きの項目を教えてください」と聞く権利がある。
体験入店前に確認しておくべき4項目
電話またはLINEで体験入店の予約を入れる際、以下の4点を事前に確認しておく。これを聞いて嫌な顔をする店には入らない方がいい、という判断基準にもなる。
- 当日の服装・持ち物(スーツ必須か、私服OKか)
- 体験中に客の対応を求められることがあるか(任意か必須か)
- 体験終了後、その日のうちに入店を決める必要があるか
- 雇用契約書を入店前に確認できるか
当日の面談で確認すべき3点
体験終了後の面談は、店側だけが「見定める」場ではない。こちらが店を見定める場でもある。以下の3点を、面談の中で必ず確認する。
① 日給保障の「保障期間」と「条件」
「日給保障7,000円」という表記が多いが、この保障が何ヶ月間続くのか、どういう条件で終了するのかを確認する。「試用期間の3ヶ月だけ」「出勤日数が月15日以上の場合」など、条件がついている場合がある。書面で確認できるのが理想だ。
② 控除・天引きの項目
寮費、送り代(送迎車の費用)、ヘアメイク費、制服代、遅刻罰金——これらの控除項目が存在するかどうかを確認する。「入店後に説明します」と言う店は、書面での事前確認を避けている可能性がある。
③ 退店時の条件
辞めたいと思ったとき、どれくらい前に申し出が必要か、違約金はあるか、引き抜き条項はあるか。入店前のこのタイミングで聞くのが最も自然で、答えやすい雰囲気でもある。
「今日から入れます」を即決しない理由
体験入店当日に入店を即決することは、メリットよりリスクの方が大きい。理由は単純で、書面を確認する時間がないからだ。雇用契約書・労働条件通知書・罰金規定——これらを読まずにサインした場合、後から「知らなかった」は通じない。
体験終了後に「少し時間をもらえますか、書面を確認したいです」と言う。その場でもらえる場合はその日に確認できる。「後日郵送します」と言う店には、送ってもらってから判断する。「書面はない」「契約書は口頭で」という店は、それ自体が問題だ。
不安な場合は、ホスメディAのLINEに「体験入店に行きます」と送ってもらえれば、当日の確認ポイントや、終了後の書面チェックを一緒にできる。応募ではなく相談から始めて構わない。
本記事について:本記事は、ホスメディA(元歌舞伎町ホスト・在籍4年)の現場経験および複数の新人ホストへのヒアリングをもとに構成しています。体験入店の流れ・確認事項は店舗によって異なります。個別の状況については、ホスメディA(LINE @160tlzif)にご相談ください。
